40代でやってはいけない髪型、男性の若々しさと老け見えの境界線

40代を迎え、ふと鏡を見たときに「なんだか髪型がしっくりこないな」「どんな髪型が自分に似合うのか分からない」と感じることはありませんか？

若い頃と同じスタイルでは違和感がある、でもいわゆる“おじさん”っぽくも見られたくない。40代でやってはいけない髪型で検索してたどり着いたあなたも、きっとそんな複雑な想いを抱えているはずです。

特に男性にとって、ヘアスタイルは第一印象を決定づける重要な要素ですから。目指す理想像は、単に若く見せることではなく、年齢を重ねた深みと清潔感を両立させた、周りから「素敵ですね」と自然に思われる男性ではないでしょうか。

SHIA

私は、トップスタイリストとして15年間、数えきれないほど多くのお客様の髪と人生の節目に寄り添ってきました。その経験から、この記事ではそんなあなたの尽きない悩みに一つひとつ、心を込めて丁寧にお答えしていきます。

＜記事のポイント＞
・40代男性が避けるべき髪型の具体的な特徴とその理由
・若々しく魅力的に見えるOKヘアスタイルの法則
・セットが苦手な方でもお洒落に見える髪型の条件
・今の自分に本当に似合う、一生モノの髪型を見つけるヒント

40代でやってはいけない髪型・男性のNG例
40代やってはいけない髪型・男性のOK例

40代でやってはいけない髪型・男性のNG例

アラフォーがやってはいけない髪型
40代に似合わない髪型は？
清潔感のない長めのスタイル
セットなしで良い髪型とその注意点
ツーブロックの欠点は何？

アラフォーがやってはいけない髪型

40代の男性がヘアスタイルで失敗する最大の原因は、大きく分けて二つ。

それは、「清潔感の欠如」と「年齢に不相応な若作り」です。これらは、せっかくの社会的キャリアや内面的な魅力を台無しにし、実年齢以上に老けて見えたり、あるいは痛々しい印象を与えたりする可能性があります。

清潔感の欠如とは？

フケや頭皮のベタつきはもちろん、手入れされずにパサパサに乾燥した髪、寝癖がついたままボサボサの状態などを指します。

40代は仕事や家庭で責任が増し、自分のことに時間をかけられなくなる時期でもあります。しかし、その多忙さが髪に表れてしまうと、周囲に「疲れている人」「自己管理ができない人」というマイナスの印象を与えかねません。

過度な若作り

例えば、明るすぎるハイトーンカラーや、ワックスで作り込みすぎた束感の強いスタイルなどは、20代であればフレッシュに見えるかもしれませんが、40代の男性がすると、年相応の落ち着きや品格を損なう可能性があります。

「若々しくいること」と「若作りをすること」は似て非なるもの。この境界線を認識することが、大人のヘアスタイルを成功させるための条件と言えます。

特に注意したいNGポイント

スタイリング剤の使いすぎにも注意が必要です。ベタベタ、ギトギトに見えるほどのワックスやジェルの使用は、清潔感を著しく損なってしまいます。

適量を使い、ナチュラルなツヤ感を出す程度に留めておくと良いですよ。

40代に似合わない髪型は？

自分ではイケてるつもりだったのに、娘から『その髪型、変だよ』と言われてしまった…

サロンでお客様からそんなご報告を受けることも少なくありません。

ご自身では気づきにくい「40代に似合わない髪型」の代表格は、やはり一昔前に流行したスタイルをアップデートしないまま続けているケースです。

例えば、2000年代に流行した襟足だけが極端に長いウルフカットや、毛先全体を梳きバサミで軽くしすぎたシャギースタイルは、今の時代に見るとどうしても古臭い印象になってしまいます。

年齢と共にフェイスラインは緩やかになり、髪のハリやコシは失われていきます。若い頃に似合っていた髪型が、今では輪郭のたるみや髪のボリュームダウンを悪目立ちさせてしまうことも。例えば、以下のようなケースが考えられます。

丸顔の方
丸みを強調する重めのマッシュルームカットにする

面長の方
縦のラインを強調するトップに高さのあるソフトモヒカンにする

エラが張っている方
それを隠そうとフェイスラインに沿うようなボブスタイルにする

大切なのは、過去の成功体験に固執せず、「今の自分」を客観視し、長所を活かし短所をカバーする髪型を選ぶことです。それが、年齢を重ねたからこそできる、真のお洒落と言えるでしょう。

清潔感のない長めのスタイル

大人の色気や芸術家のような雰囲気を醸し出す長髪スタイルは、確かに魅力的です。

しかし、40代の男性がこのスタイルを維持するには、ケアが求められることを知っておく必要があります。その最大のハードルが、「清潔感の維持」です。

年齢を重ねた髪は、若い頃に比べて水分保持力が低下し、どうしてもパサつきやすくなります。そこに白髪が混ざり始めると、光を反射しにくくなるため、さらにツヤが失われたように見えます。

そんな状態でただ髪を伸ばしてしまうと、「貧相」「疲れている」「不潔」といったネガティブな印象に直結してしまうのです。

もし長めのスタイルに挑戦したい方は、以下のケアを日常的に行ってみることをおすすめします。

・アミノ酸系など高品質なシャンプー・トリートメントの使用
・タオルドライ後、洗い流さないトリートメントをつけてから完全に乾かす
・定期的に美容室で毛量調整とトリートメントを行う

セットなしで良い髪型とその注意点

「朝は1分でも長く寝ていたい」「スタイリング剤のベタベタ感が苦手」といった理由から、セットなしで過ごせる髪型を希望されるお客様は非常に多いです。

そして、40代の男性にこそ似合う、セットなしでも格好良く決まる髪型は確かに存在します。

「セットなし」を可能にするカット技術

いわゆる「楽な髪型」は、決して手抜きのカットではありません。むしろ逆で、お客様一人ひとりの骨格、髪質、毛流れ、生えグセをミリ単位で計算し尽くした、非常に緻密なカットによって成り立っています。

例えば、ハチが張っている部分の毛量を内側から減らして膨らみを抑えたり、つむじ周りの毛流れに合わせてカットすることでトップに自然なボリュームを出したり。そうした見えない部分の工夫があるからこそ、乾かすだけで理想のシルエットが再現できるのです。

ただし、ここで忘れてはならない注意点があります。それは、「セット不要」と「手入れ不要」は全くの別物だということです。

どんなに完璧なカットも、髪が伸びればバランスは崩れます。美しいシルエットを保つためには、1ヶ月〜1ヶ月半に一度のペースで美容室に通い、メンテナンスすることをおすすめします。

「セットなし」とは、あくまでワックスなどをつけなくても良いという意味であり、大人の身だしなみとしての「手入れ」は必須であると心得ましょう。

ツーブロックの欠点は何？

サイドを刈り上げてすっきり見せるツーブロックは、清潔感とデザイン性を両立できるため、40代のビジネスマンからも絶大な支持を得ています。

しかし、その手軽さの裏には、知っておくべき欠点や落とし穴も潜んでいます。

ツーブロックをオーダーする前の注意点

メンテナンス周期が短い：これが最大の欠点かもしれません。刈り上げた部分は、わずか数ミリ伸びるだけでコントラストが崩れ、まだら模様のように見えてしまいます。清潔感を保つためには3週間〜1ヶ月という非常に短い周期でのメンテナンスが理想的です。
骨格の欠点を強調する可能性：例えば、ハチが張っている方が高い位置まで刈り上げると、頭の角が強調され、いわゆる「カッパ」のようなシルエットになりがちです。また、後頭部が平らな方が後頭部を刈り上げると、さらに平坦に見えてしまうこともあります。
髪質との相性が悪い場合がある：太くて硬い「剛毛」で、髪が横に広がりやすい方がツーブロックにすると、上の長い髪が浮き上がり、ヘルメットを被ったようになってしまうことがあります。逆に、細くて柔らかい「軟毛」の方がサイドを刈りすぎると、トップのボリュームが余計になく見え、寂しい印象になることも。
薄毛のタイプによっては悪目立ちする：特に頭頂部が薄くなるO字型の薄毛の方がツーブロックにすると、サイドの髪の濃さとの対比で、トップの薄さがより強調されてしまうリスクがあります。

オーダーする際は「自分の骨格や髪質で気になる点はどこか」を正直に美容師に伝え、プロの視点から最適な刈り上げ幅やデザインを提案してもらうことが、失敗を避ける最も確実な方法です。

40代やってはいけない髪型・男性のOK例

かっこいいおっさんになるメンズヘア
若く見える髪型はショートが基本
色気を出すワイルドショートスタイル
清潔感のあるツーブロックスタイル
ツーブロックの長めスタイルのポイント
40代は前髪がある方がいい？

かっこいいおっさんになるメンズヘア

周囲から「素敵だな」と思われる、いわゆる「かっこいいおっさん」のヘアスタイルは、決して派手さや奇抜さで目を引くものではありません。

その根底に流れる共通のテーマは、「上質なシンプルさ」と「細部へのこだわり」です。

具体的には、「清潔感」「爽やかさ」「上品さ」、そして何よりも「その人自身に自然に馴染んでいること」。

これら全ての要素が満たされたとき、ヘアスタイルは年齢を重ねた男性の魅力を最大限に引き立てるのです。では、具体的にどのような点に気を付ければ良いのでしょうか。

髪そのものの健康：第一に、髪に自然なツヤがあること。パサついた髪は疲れた印象を与えます。日々のケアで健康な髪と頭皮を保つことが基本です。
ディテールの処理：襟足やもみあげ、耳周りがすっきりと清潔に整えられていること。こうした細部が、全体の印象を大きく左右します。伸びてきたらすぐに整える意識が大切です。
やりすぎていないこと：スタイリング剤をつけすぎていたり、不自然なほど作り込まれた髪型は、大人の余裕を感じさせません。あくまでナチュラルに、でも計算されたシルエットを目指しましょう。
トータルバランス：髪型だけが浮いていてはいけません。ご自身のファッションの好みや、職種、ライフスタイルに合った髪型を選ぶことで、初めて「似合っている」という評価に繋がります。

つまり、自分という素材をよく理解し、その魅力を丁寧に磨き上げること。それが、40代男性が目指すべき「かっこいい」への道筋です。

若く見える髪型はショートが基本

もしあなたが、若々しくエネルギッシュな印象を手に入れたいと考えるなら、ヘアスタイルをショートにすることが最も効果的で確実な方法です。

髪を短くすることには、見た目の印象をポジティブに変える多くのメリットが詰まっています。

なぜショートヘアは若々しく見えるのか？

その理由は非常にシンプルです。まず、顔周りがすっきりすることで、視覚的にリフトアップして見える効果があります。

サイドの髪が引き締まることで、人の視線は自然と顔の中心から上へと誘導され、これにより、気になり始めるフェイスラインの緩みがシャープに見え、全体的に引き締まった印象になるのです。

また、髪が短くなることで、表情そのものが明るく、豊かに見えます。髪が顔にかかっていると影ができてしまい、無意識に暗く、疲れた表情に見られがちですが、額や顔周りを出すことで、快活でオープンな人柄を演出できます。

さらに、髪が短い方がトップにボリュームを出しやすいため、年齢による髪のボリュームダウンを自然にカバーし、生命力あふれる印象を与えてくれます。

40代におすすめの鉄板ショートスタイル

王道ソフトモヒカンサイドと襟足をすっきりと刈り上げ、トップに少し長さを残して動きを出すスタイル。爽やかさと男らしさを両立し、オン・オフ問わず対応できる万能さが魅力です。
大人のベリーショート全体を潔く短くカットしたスタイル。清潔感が際立ち、お手入れも非常に楽です。知的でストイックな印象を与え、スーツやジャケットスタイルはもちろん、メガネやヒゲとの相性も抜群です。
好印象アップバングショート前髪を上げて額を出すスタイルは、誠実さ、知性、リーダーシップといったポジティブな印象を与えます。特にビジネスシーンで信頼感を大切にしたい方におすすめです。スタイリングでツヤを出すと、より品格がアップします。

色気を出すワイルドショートスタイル

40代の魅力は、爽やかさや清潔感だけではありません。若い頃にはなかった深みや経験が醸し出す、大人の「色気」もまた、強力な武器になります。

それをヘアスタイルで表現するなら、ただ短いだけではない、少しの遊び心と動きを取り入れたワイルドショートが最適です。

ただし、目指すべきはあくまで「品のあるワイルドさ」。一歩間違えると不潔さや若作りに見えてしまうため、さじ加減が重要です。

この「品のあるワイルドさ」を演出する最も効果的なテクニックがパーマです。直毛で硬い髪質の方も、緩やかなパーマをかけることで、髪に柔らかさと気だるいような動きが生まれます。

おすすめは、髪を濡らした時にカールが出る程度の、ごく自然なくせ毛風のニュアンスパーマや、ランダムな動きが出やすいツイストスパイラルパーマ。

これらは、スタイリングを格段に楽にしてくれるだけでなく、計算され尽くした「無造作感」を生み出してくれます。

スタイリング剤で質感をコントロール

色気を出すなら、スタイリング剤選びも大切です。パサついた質感はワイルドではなく、ただの疲れた印象になってしまいます。

ツヤ感の出るグリースやジェル、あるいはウェット系のワックスなどを少量手に取り、パーマの動きを再現するように揉み込むだけで、濡れたようなセクシーな質感を演出できます。

パーマと質感のコントロール。この二つを駆使することで、単なる爽やかさだけでは物足りない、深みのある大人の男性像を表現することができるでしょう。

清潔感のあるツーブロックスタイル

NG例のセクションでその欠点にも触れましたが、ポイントさえ正確に押さえれば、ツーブロックは40代男性にとってこれ以上なく頼りになるヘアスタイルです。

周囲に好印象を与える「清潔感のあるツーブロック」を成功させるための最大の秘訣は、「あくまで自然に、やりすぎないこと」に尽きます。

美容師が教える！40代のツーブロック成功の法則

刈り上げは「厚め」のグラデーションで：オーダーする際、「バリカンで3mmにしてください」といった均一な長さの指定は避けましょう。おすすめは「ハサミで自然な刈り上げにしてください」あるいは「厚めの6mmから9mmくらいで、グラデーションになるように」といった頼み方です。地肌が透けすぎず、裾から上に向かって自然に濃淡がつくことで、非常に上品で落ち着いた印象になります。
被せる髪は「短く、軽く」：刈り上げた部分に被さる髪が長くて重いと、昔のテクノカットのような不自然な段差ができてしまいます。トップの髪も短めにカットし、毛先が自然に流れるように毛量調整をしてもらうことが、爽やかに見せるポイントです。
「繋げる」意識を持つ：刈り上げた部分と、その上の長い髪が、くっきりと分断されないように、その境目をぼかすように「繋げて」カットしてもらうのが重要です。これにより、全体のフォルムに一体感が生まれ、伸びてきた時も自然な印象を保ちやすくなります。

これらのポイントは、ご自身の判断だけでは難しい部分もあります。オーダーの際は、ぜひこれらの言葉を使って、信頼できる美容師さんと相談してみてください。「この人は分かっているな」と思ってもらえ、より質の高い提案が受けられるはずです。

ツーブロックの長めスタイルのポイント

サイドはすっきりさせたいが、トップは長さを残してアレンジを楽しみたい

そんなこだわりを持つお洒落な40代男性には、長めのツーブロックスタイルが人気です。センターパートや七三分け、オールバック風など、スタイリング次第で様々な表情を見せることができるのが最大の魅力。

しかし、このスタイルはメリットが大きい分、「何もしないと、ただ伸びてまとまりのない人」に見えてしまうリスクも格段に高まります。

このスタイルを成功させるための絶対条件は、「髪に上質なツヤと、計算された毛流れを与えること」です。

長さがある分、髪のパサつきやダメージは悪目立ちします。スタイリングの際は、ヘアオイルやツヤ系のグリース、あるいは軽めのジェルなどを必ず使用し、潤いとまとまりを与えましょう。

乾いた髪にハードワックスをつけるだけ、といったスタイリングはNGです。

また、ご自身の毛流れだけでは理想のシルエットを作るのが難しい場合は、パーマをかけるのもおすすめです。

特に、髪を後ろに流しやすくする「リバースパーマ」や、自然なボリュームと毛流れを作る「ボディパーマ」などをかけておくと、朝のスタイリングが驚くほど簡単になり、一日中スタイルをキープできます。

長めのスタイルは重さでトップが潰れやすいため、美容室で根元から毛量を減らすなどの工夫をしてもらうことも忘れないようにしましょう。

40代は前髪がある方がいい？

顔の印象を劇的に変える要素、それが「前髪」の存在です。前髪を作るべきか、潔く額を出すべきか。これは40代男性にとって、究極の選択の一つと言えるでしょう。

結論から言うと、どちらか一方が絶対的に正しいということはありません。ご自身の目指すイメージ、顔型、そしてライフスタイルを考慮して、戦略的に選ぶことが重要です。

以下にそれぞれのメリット・デメリットをまとめましたので、ご自身の状況と照らし合わせてみてください。

スタイル	メリット	デメリット	こんな方におすすめ
前髪あり (下ろす・流す)	・見た目年齢が若返り、優しく親しみやすい印象になる・気になるおでこのシワや、広さを自然にカバーできる・面長な輪郭を緩和し、顔のバランスを整える効果がある	・髪質や量によっては重く見え、暗い印象になることも・目にかかると清潔感を損ない、うっとうしい・スタイリングをしないと、ただの野暮ったい髪型になる	・面長の方、おでこにコンプレックスがある方・柔和で優しい雰囲気に見せたい方・カジュアルな服装が多い方
前髪なし (上げる・分ける)	・清潔感が際立ち、爽やかで知的な印象を与える・表情全体が明るく見え、自信に満ちた快活な雰囲気になる・スーツやジャケットスタイルとの相性が良く、ビジネスでの信頼感が増す	・おでこの広さや後退した生え際がダイレクトに見える・顔の長さが強調されやすいため、面長の方は注意が必要・根元を立ち上げるスタイリングが必須となる	・丸顔・ベース顔の方・誠実な印象に見せたい方・ビジネスシーンでの好感度を重視する方